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「これを水田に使えば、いい米ができるんじゃないか」
今城義則は、自ら始めた養豚業で、「海藻アルギット」を飼料として与えていました。「海藻アルギット」で育った豚は育ちがよく、ミネラル成分を豊かに含む質のいい肉ができました。
それを水田の土壌づくりに使えばきっとおいしい米ができるに違いないと、アルギット推進協議会の担当者の勧めもあり、海藻アルギットを使った米づくりが始まりました。

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その結果、通常栽培の稲より稲株が太く、甘みと粘りの強い米が収穫でき、農薬の使用も最低限で済むことがわかりました。
「この米を生産すれば、多くの人に、おいしい米を安心して食べてもらえる」。
今城義則は、養豚から稲作へと事業内容を変更。海藻アルギット米栽培を本格化させました。安心と安全は、食物をつくり、届ける自分たちにとって、最も重要なことであると考えていたからです。
しかし、海藻アルギット米の栽培は、容易ではありません。通常栽培より農薬と化学肥料を5割以下に抑えるため、草刈りなどの管理にこれまで以上の配慮が必要となります。
また、「味と収量を決める最も重要な時期」とされる6月中旬〜7月中旬は、水管理もきめ細かく行わなければなりません。心を配り、汗を流し、そしてようやくおいしい海藻アルギット米が実り、お客さまのもとへ届けることができるのです。

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稲作経営を本格化させた頃、ハーブの栽培も始めました。
ハーブ園で収穫した草花は、乾燥させてお茶や調味料、雑貨の材料にします。やがて「私にも教えて」という声が増え、ハーブ教室が始まりました。
下準備には小さな花を手で摘んだり、ドライフラワーの一本一本にワイヤーをつけるなど、地道な作業もたくさん。その甲斐あって、教室にはおしゃべりと笑い声が絶えません。つくる楽しさとふれあいの喜びが、いつもあふれています。

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実った稲を刈る時、その力強い手応えに農業への誇りを感じながら、目に浮かぶのは新米をほおばる笑顔。そして、目の前には、ハーブ教室で喜んでいただいた皆さまの笑顔。
私たちは、農業がすきです。
それは、人がすきだからです。
人の笑顔がすきだからです、
農業は、たくさんの人を笑顔にします。もっと笑顔にしたい。笑顔を見ることで、自分たちも笑顔になりたい。
「すき」は、いちばん大きなちから。それが、私たちの変わらない理念です。

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